Rochester Hills, MI, U.S.A. 07/18/1998

1998年夏にデトロイト郊外で行われた "Always Never The Same Tour " の模様を MT 氏がレポート。


日時:
7/18(土)20:30〜
場所:
ミシガン州ロチェスターヒルズ(デトロイト郊外)
オークランド大学構内の野外コンサート場 "Music Festival"

「午後8時開始」とのコンサート会場に到着したのは午後8時寸前。アメリカはただでさえ日が長いのに、サマータイムでさらに日が長く、まだ午後4時ごろといった感じ。

当初オーケストラ入りとのことだったのだが、なぜかオーケストラはなしとのアナウンス。別にオーケストラに期待していたわけではないので構わない。

会場はすでに満員状態。しかし、ロックコンサートというよりは、日本で言うところの「地域のお祭り」または「盆踊り大会」といったイベントのような家族的な雰囲気。椅子のあるステージ寄りのエリアには若干空席はあるが、椅子のない、後ろの芝生席(lawn seats)エリアは家族連れで大盛況。まるでピクニックに来ているといった感じ。

ちなみにこの日、我々はチケットを買わずに済んでしまった。「券あるよー」と言う親切な家族(ダフ屋さんではない)からただでもらったのだ。ラッキー!

さて、我々もとりあえず芝生席に陣取った。オープニングアクトは、地元のコメディアンによるトーク。良く分からんので、とりあえずビールを買いに行ったら、人の良さそうな陽気な「おにいさん」が「こいつ全然面白くないねー。今拍手したの何人いるよ? 3人? 4人?」と酷評。俺も(同行した)Y君もこのコメディアンは眼中になかったが、カミさんや他の観客には結構受けていた。

ちょうどステージを覆うドームの向こうに太陽が隠れた頃、いよいよバンドの登場。

今のメンバーはちなみに:

バイオリンの親父が去年13年ぶりに復帰。ニューアルバムを発表後、初の全米ツアーである。

さて、SE に続いていよいよ演奏開始。


Fight Fire With Fire

何と! 一昨年の来日公演でこの曲が演奏された、というだけでも驚きだったが、オリジナルメンバーの1人である、RS が復帰した今、まさかこの曲がコンサートの冒頭で演奏されようとは、誰が予想しただろう?! 来日時のインタビューでも、SW 脱退後の曲である Play The Game Tonight とこの曲が演奏されたことに関して質問されていたが、それに対して SW のコメントが印象的だった。「良い曲は良い曲だから。ぼくがいなかった時期の曲だというのは関係ないし、自分の歌にしちゃってる。」なるほど〜

しかし、この曲については RS もメンバーではなかったのだ。カンサスのメンバーの、ある意味での「こだわり」の無さには驚かされる。UFO あたりにも見習ってほしいものだ。

音はかなり小さ目。まあ、家族連れにはこれくらいがよいのか。

ドラムは良い音出てる。

SW、RS、BG の3人によるコーラスが美しい。

バスドラがかっこいい。曲にオリジナル以上の躍動感を与えている。


Sparks Of The Tempest

さらに2曲目が比較的地味なこの曲というのにもちょっとびっくり。

オリジナルにはなかったバイオリンパートが追加されている。

掛け合いボーカルが綺麗に決まっている。

SW、やはり喉の衰えか。あまり声が出ていない。つらそう。

エンディングで転調後、再び Fight Fire With Fire へ。


Song For America

オリジナルメンバーの4人までが揃ってこの曲を演奏しているのを見た瞬間、あまりのありがたさに涙が!!

ピアノパートを含め、キーボードパートは SW 1人で演奏できるよう、うまくアレンジされている。

RS、相変わらず渋いいい声を聞かせてくれる。

SW、まだまだ動きは若々しく、体型も若い頃そのままだ。

RS、次曲を紹介する MC。


Miracles Out Of Nowhere

RW、さかんにアコギ、エレキ持ち換え。

RS、良く動き回る。今回何かの記事で「あのフロントマン復帰!」という表現があったがその気持ちがよく分かる。結局この日ほぼ全ての MC は RS が担当。

エンディングは新アレンジ。

Y君コメント「やっぱりこのバンドうまいねー!」

観客、かなり受けている。やはり "Leftoverture" からの曲は人気があるのか。


The Wall

美しいライティング。

RW のギターの音色が素晴らしい。 Y君「Andrew Latimer 風の音色を止めろー!」

エンディングでは SW、ドラマチックなコード弾き。今回キーボードパートはたった一人でこなした上、さらにリードボーカルも。大したもんだ。


In Your Eyes

新曲。ここでトイレに行かざるをえず、ほぼ一曲丸ごと見逃す。ちょっと飲みすぎたか。

芝生席ではどこかのバカがビーチボールで遊び始め、それがたびたび視界を遮るため、前の椅子のある席の方へ移動。本当は追加料金が必要なのだが、空きの目立つ後ろ側の席はスタッフも大目に見ていた。もっと良く見えるし、音もずっと良いのでウレシイ。


Cheyenne Anthem

SW、ボーカル調子良い。かなり調子出てきた。

BG、B/Vo で好サポート。

中間のインストパートでは、SW、小刻みに複数のアタック(これがリズムにシンクロしている)を持つ音色で新たな味を加えている。エンディングでは、RS がバイオリンで素晴らしい情感を表現。


Hold On

コーラスを含め、素晴らしい出来栄え。感動的。

RS「次は今までライブではやったことのない曲だ。」


Nobody's Home

アルバム "Point Of Know Return" で、Hopelessly Human とともに大好きな曲(最新作にも収録)。ありがとう! こんな良い曲、今までやってなかったなんてもったいねえー

中間では、RS、自パートを座って披露。

RW、ギタープレイが映える。

SW、オルガンとピアノによるバッキング、見事!

切れ間なく、荘厳なイントロ(宇宙的 SE)とともに次の曲へ。


Eleanor Rigby

最新作の冒頭に収録の言わずと知れたビートルズのカバー。

コーラスワークとヘビーなアレンジの妙技。

BG、B と Vo ユニゾンのパート、カッコイイ。

これも有名曲だけにかなり受けが良い。


Sky Is Falling

これも新曲。

壮大な中間部がかっこいい!

エンディングでのインストのユニゾン、すごい迫力。


Play The Game Tonight

SW、音程には問題無し。

BG、素晴らしいサポート。

これも新アレンジでのエンディング。


Point Of Know Return

やっぱり皆さんこの曲好きなんですねえ。

私も「How long!!」と絶叫してしまいました。


Phil Ehart Drum Solo

これって次の曲とセットになってるのかな。


Portrait (He Knew)

SW、キーボードから離れ、RW ×××××

観客、××××××××。

(↑メモの字が読み取れない。この辺から興奮していて字がすごく汚いのだ。)


Magnum Opus (エンディング部分のみ)

すげえ!! 総立ち!!

10代くらいの若いヤツら(あまりいないが)に、かなり受けてる。日頃グランジやオルタナばっかり聞かされてる連中にはかなり新鮮なんだろうな。良いことだ。


Dust In The Wind

SW、キーボードから離れて歌い出す。キーボードに戻る瞬間の素早い動き!

隣のガキども(中学生くらい)がうるさい。


Carry On Wayward Son

イントロはアコギ。
超有名曲。大盛り上がり。
RW、どさくさに紛れ、タッピングを披露。

前の椅子に足を掛けて絶唱してしまった。


というわけで、約1時間40分のコンサートは終了。最後は皆さん、ものすごい盛り上がっていた。最初は皆静かだったから「こいつらマジでピクニックに来てんじゃねーの?」と疑っていたのだが、やっぱり皆さん好きなのね。

カンサスは未だにアメリカでは精力的にツアーをやっていて、16年に1回くらいしか観れない日本に比べたらエライ幸せ者だぞ、おまえら!とつくづく思いました。

その意味じゃやっぱりアメリカは良い国だ。また見に来よーっと!

しかし、カンサス、特に演奏に関してはまだまだ現役バリバリ!って感じでしたね。こんなに上手いバンドなんだし、良い曲もいっぱいあるんだから、長く頑張ってほしいですね。

しかし、ツアースケジュールの確認、会場までの地図の入手、ホテル探し等々、今回ほどインターネットの便利さを痛感したことはなかった。いいね、やっぱりインターネットは。

それに引きかえ、心残りなのは、写真も音も全く録ってこなかったこと。デジカメくらい持っていけばよかった。というわけで駄文ののみのレポートになってしまいました。どうぞお許しください。

それでは、最後まで読んでくれた方、おつかれさまでした。


P.S.

参考までに、昨年行われたツアーのセットリスト(↓)。

最初の4〜5回では Hopelessly Human や The Spider までやっていたらしい。とにかく信じられないくらいすげえ選曲! 名曲の嵐。こっちを観たかったなー でもこれに行っていたら見世物になっちまっていただろうな。ま、旅の恥はかき捨て。かんけーねーか。

1997 Tour (Return of Robby Steinhardt)

Early in the tour, Hopelessly Human, Down the Road, and The Spider were played. Steve played The Spider solo on stage. It was the COMPLETE song, not just the excerpt that was played in 91/92. That set was only played at 4-5 concerts, then those three songs were cut from the set. In early June, Cheyenne Anthem was introduced. In late August, the Beatles song Eleanor Rigby was added to the set. The following set is the one played for the majority of the tour. When Kansas opened for ZZ Top and other bands, a stripped down version of the set was played.

Encore:

以上